BOISSについて

美しい島をいつまでも

 私たちNPO法人 小笠海洋島研究会 BOISS は、日本本土から南へ約1,000㎞に位置するユネスコ世界自然遺産の島、2008年より小笠原諸島父島に本拠地を置いて活動しています。

 島民が企業・行政とパートナーシップを図り、自然環境の保全のため調査・教育・啓蒙活動に従事しています。また、継続可能な資源循環型社会と自立した活力のあるまちづくりを実現するための提言および協働活動、自然保護や街づくりに関する普及啓蒙活動を行い、島の自然と島民が共生できる豊かな島の実現に寄与することを目的として活動しています。  


活動理念/設立趣旨

 現在、全世界は、地球温暖化・食糧問題・エネルギー問題・廃棄物問題・生物多様性の低下など、国の枠を越えて地球規模で解決して行かなければならない数々の課題を抱えている。それは小笠原においても同様で、将来にわたる持続的発展のためには、多くの課題を解決することが必要である。
小笠原は、東京から南へ約1000kmの離島である。交通手段は船のみで片道25時間・週一便しか運航していない。にもかかわらず、現状ではエネルギーのほとんどを化石燃料に頼り、島内での農業生産も少ないため、内地への依存度はきわめて高い状況にある。したがって、単一交通機関が長期に止まることがあれば、食糧・燃料が枯渇して生活手段を失うと、島民の多くが不安を感じている。

 また、小笠原では、世界的にも貴重な固有の生態系を保全するために外来生物の駆除が行われている。しかしながら、多くの費用と労力が必要な活動をどの様なシステムで進めて行くのか、未だ試行錯誤の段階である。

 一方、小笠原の主力産業である観光は、主に海洋島の特異な自然を利用して行われている。そのため、生活圏の開発振興は、環境保全との両立にあたっての対立する問題を潜在的に抱えている。また、観光産業を支えるスタッフは、船の運航事情や季節的な要因で、安定雇用されにくいという恒常的な問題もある。
私たちは、これらの問題を包括的に解決するためにNPO法人を設立し、小笠原の将来にわたる持続的発展を志すものである。

 食糧問題を改善するためには、生活圏内ある未利用地を借り受けて農業生産を行い、地産地消を推進するとともに小笠原の食糧自給率を上げる。エネルギー問題に対しては、小笠原の気候や地形を利用した新エネルギーの発掘・廃棄物のエネルギー変換・環境保全活動と連携してアカギやモクマオウなどの発生材をバイオマスエネルギーとして利用するシステムを構築、といった対応を行う。さらに、このことは新たな産業・雇用の創設にもつながることが期待できる。環境保全と生活圏の問題では、総合的見地から土地利用の厳格な区分を行い、環境保全区域では<厳格な保護>を、生活圏では<小笠原の特性を活かしたまちづくり>を行政に提言し、協働する。

 さらに、この様な構想を実現するにあたっては、市民との協働、企業の社会的責任活動へのアピール、行政への提言と協働を推進する。また、環境調査・研究などを行うとともに情報発信し、社会全体へと小笠原をアピールする。

 NPO法人は、継続性と透明性がある・誰でも参加できる、この様な組織でなければ、問題解決の為に地域での受け皿になり得ないし信頼されることもない。

 私たちは、地域の活力を生み出す核となることを目指してNPO法人を設立し、上記のような活動を通じ、小笠原における「環境の保全」・「まちづくり」・「社会教育」に貢献したいと考えている。そして、NPO法人の運営を通じて、これまでに社会を構成してきた「企業が活躍する<私>の世界」と「行政が活躍する<公>の世界」だけに任せるのではなく、自分たちがしっかり知恵と汗を出し、時代の変化に柔軟に対応し、活躍する世界「<共>の世界」の実現を目指すものである。

平成19年9月13日
理事長 山田捷夫


組織沿革

平成19年9月13日 設立総会にて定款承認・理事選出等を採択 

平成20年1月10日 東京都よりNPO法人として認証

平成20年1月22日 東京法務局で「NPO法人小笠原クラブ」登記完了 

令和1年8月    東京都より「NPO法人小笠原海洋島研究会」に商号変更認証

令和1年9月    東京法務局で「NPO法人小笠原海洋島研究会」登記完了


活動記録

平成20年 オガサワラトンボを中心とした小笠原野希少昆虫の保全管理活動に着手
     (~継続中)

平成20年 父島列島を中心に海岸清掃を実施

平成21年 父島列島、聟島列島、西之島等を含めた海岸清掃を実施
     (~継続中)

平成23年 地産地消事業として、月桃水の開発生産、販売を実施
     (一時中断ののち平成30年より復活~継続中)

平成23年  父島周辺海域においてザトウクジラを対象とした生態調査を実施
     (~継続中)

平成24年 小笠原諸島におけるアホウドリ繁殖地の復元と長期的保全に向けた取り組み
     として、環境教育を実施(~平成26年)

平成29年 アホウドリをモデルケースとした住民主体の環境保全活動の実現として、
     聟島列島のモニタリング調査および啓蒙活動の実施(~令和元年)

令和元年 島内のレジャー利用頻度の多い海岸に、マイクロプラスチック回収ボックスを設置し、利用者へ     の自主的回収活動を促している(~継続中)


助成、委託等を受けた団体・組織

環境省

東京都

三井物産環境基金

財団法人 山階鳥類研究所

公益財団法人 自然保護助成基金プロナトゥーラファンド

一般社団法人 自然公園財団

一般社団法人 JEAN

東京都島しょ振興公社

宝酒造株式会社

Whale Trust Maui

公益社団法人 ゴルフ緑化促進会(GGG)


組織図/役員

理事長 山田捷夫

副理事 井上正隆

副理事 猪村真名美

理 事 南 圭介

理 事 小森谷由美子

監 事 板垣朝子