BOISSでは、海洋ゴミの中でも、単発的な海岸清掃では取り切れないマイクロプラスチックに対しての、独自の取り組みを始めています。それが「マイクロプラスチック回数ボックス」(写真)を、利用の多い海岸に設置して、継続的に回収してもらうという取り組みです。
【経緯】
➀ 最初に始めたのは、2年前の令和元年6月~7月。
島内でこの2か月期間限定で開催されるキッズカヌークラブの練習期間に、島の小学生対象に、環境教育として、海洋ゴミの中でも特にプラスチックゴミ、マイクロプラスチックに特化したレクチャーとワークショップを開催。その期間にチームごとに回収してもらった量をレース形式で競うなど、2か月間、扇浦海岸にキッズ専用の回収道具を置かせてもらった。
(写真左から:チームごとの回収箱、子供たちの回収風景、表彰式で集まったチームごとのマイクロプラ)
② 子どもたちやその家族からの反響もあり、継続して設置をしては?という声も上がり、同年、7月末から3か月間、回収ボックスの設置を試みる。
期間:2019年(令和元年)7月30日~9月末日
活動内容及び結果:
島民レジャー活用頻度の高い上記3海岸において、マイクロプラスチック回収ボックスを設置し、定期的に内容物を回収、計測する。結果、環境教育レクチャーが良いスタートとなり、自主的回収作業が継続されて、9月末までの設置期間中に、約10kgのマイクロプラスチックが回収される結果となった。また、期間終了後には回収ボックスの再設置を希望する声も聴き、子供たちをはじめ島民への意識改革が向上した結果となる。
③ 翌年,令和2年度は、さらに島民からの設置希望の声も上がり、通年設置を試みた。
設置海岸も見直し、回収率が低いコペペ海岸を廃止し、扇浦海岸、宮之浜海岸の2か所の海岸において、令和2年4月から初めて1年間通じて回収ボックスを設置し、回収量を計測することができた。
また、5月末のゴミゼロウィーク時には更に製氷海岸、大村海岸(通称:前浜)の一時設置を増やした。その後、東京都公園協会の協力と希望もあって、大村海岸には引き続き通年設置することとなった。
箱の設置海岸: 扇浦海岸 ・ 宮之浜海岸
大村海岸(令和2年5月30日から)
期間:2020年(令和2年)4月20日頃~2021年(令和3年)3月末日
活動内容及び結果:
扇浦、宮之浜海岸では、島の小学生を対象に目的や方法を説明した環境教育レク
チャーを数回実施した。また、5月末から6月頭に環境省主催で実施されたゴミゼロウィーク期間にはSNSやポスターで告知を行い、広く島民の皆さんに海岸の美化を働きかけた結果、マイクロプラスチック回収ボックス設置をきっかけに、それ以外の大型海洋ゴミも含め10日間で260キロ回収することができた。
マイクロプラスチック回収ボックスの内容量の推移については、昨年はコロナ禍にあって自粛生活の中、個人で海岸に出てゴミを自主回収される方も多くあったようで、4月から夏前にたくさん回収され、またゴミゼロウィークをきっかけに引き続き夏の間、その後10月には台風の波でまた大量に海岸にゴミが漂着するなど、一年を通して継続的に多くの海岸ゴミが回収されていた。
各海岸のマイクロプラスチック回収量:
扇浦海岸 21.1kg
宮之浜海岸 21.6kg
大村海岸 21.1kg
(3か所合計 63.8kg)