身近な固有ハナバチ類の保全(2022ー)

固有ハナバチ類とは

 小笠原には9種類の固有ハナバチ類が生息しています。小笠原で独特の進化をした固有植物たちの受粉には、固有昆虫の存在が大きく関係していると言われており、固有ハナバチ類もその一翼を担っています。セイヨウミツバチのような集団で生息する種ではなく単独で生活しており、集めた花粉をハチミツに変化させて貯蔵する性質もないため、人との関わりは薄いですが在来の植物たちにとっては大切なパートナーであり、小笠原の生態系にとっては非常に重要な存在です。

 かつては父島と母島にも生息していた固有ハナバチ類はグリーンアノールの影響で壊滅状態にあり、すでに地域絶滅してしまった種も多いのが現状です。

写真:オガサワラクマバチ(固有ハナバチ)

固有ハナバチ類保全活動

 当会では、父島においてわずかに残るハナバチ類の生息環境を保全する取組みを行っています。ハナバチ類の飛来が確認できるハマゴウという在来植物周りの外来植物を駆除し、その林縁にグリーンアノールトラップ(環境省提供品)を設置することで、グリーンアノールを低密度化させようと活動しています。

 さらに、外来植物を駆除した後には、ハナバチ類が好む在来の植物を再生させる取組みも進めています。

写真:ハマゴウに飛来するイケダメンハナバチ(固有ハナバチ)

写真:外来植物(ギンネム・シマグワ)駆除作業の様子

写真:グリーンアノールトラップ設置の様子

※この活動の一部は独立行政法人環境再生保全機構様の地球環境基金によって行われています。